第8回・・・NECの新製品
新製品という点とスペックという点から【PCエンジン】は抜きんでていましたが
後発の【メガドライブ(以下MD)】やSFCにスペック的にも追い抜かれて
非常に苦しい立場に追い込まれるNEC。
7年前の話です
一発逆転(とおもったかは分かりませんが(^^;)の隠しダマが登場しました。
【PCエンジンCDROM^2(CDロムロム)(以下ROM^2)】です。
なんと、540MBもの大容量の中にゲームを詰め込んだのです。いままでROM
カセットの制約やROMの値段と価格のバランスから作ったとしても8MB
くらいが関の山でした。
それが一気に開放されたのです。当然音声はCDから。生の音声だっていくらでも
流すことが出来ます。容量はほぼ無尽蔵と言っても過言ではなかったでしょう。
5万円台と非常に高かったのですが、今までに無いゲームの臨場感を楽しみたい
がために、購入する人は多かったはずです。
ROM^2が生み出したものとしてデジタルコミックというジャンルがあります。
簡単に言うと電子紙芝居のことで、ある程度の分岐はあるにせよ、紙芝居の
ように読みつづけていくような感覚でアドベンチャーゲームをするという、
分類するならアドベンチャーゲームに分類出来るあたらしいジャンルが
出来ました。これはアニメをゲーム化するにはもってこいのジャンルです。
音声は本物の声優を使い・・・一気にデジタルコミックは市民権を得て
しまいました。今でもデジコミとして親しまれてますね。
しかし、どうしても高いというのとアニメ=オタクという先入観は拭い切れず、
ROM^2は普通のユーザには受け入れられませんでした。が、アニメファンで
ゲームが好きでなかった、様な人は徐々にゲームに取り込まれていきます。
NECはある程度のユーザ確保には成功したようですが・・・任天堂帝国の
牙城を壊すにはパンチが弱すぎました。
程なくしてセガからも【メガCD(以下MCD)】を発売しますが、ROM^2ユーザ
から見れば、うらやましいゲームもあったので購入に値しますが、普通のユーザ
から見ると、やはりオタクゲームにしか見えないようです。
この時代CDROMといっても今ほどメジャーでも無かったので、オタク呼ばわり
に近いものがあったのは事実です。正確に言えば今現在の状況に辿りつくための
模索期だったのかもしれません。
次回第11回[NECの新戦略−PCFXと新路線−]
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