それは夏の暑い日だった・・・
  わたしは仕事も終わり、帰宅の途についた。金曜日だっていうのに
  だれも私を誘ってくれもしない。これでも、自分ではわかいいって
  思ってるし、プロポーションだって気にしているのよ。
  でも、わたしは・・・

  そんなことを考えながら、あるいていたわたしにふと声をかける人がいる。
  ひさびさにお客かしら?
  「そこのおねえさん。ひまならお茶でもいかがですか?」
  顔は・・・まぁまぁね。体格も私ごのみじゃないけどまぁ仕方ないかしら。
  わたしはちょっと太目の人が好き。今日の人はちょっとやせすぎのようね。

  男の人は私を連れて、近くの喫茶店に入った。
  「今日も暑かったねぇ」
  男は今更のようにそんなセリフをはいている。ほんとにお茶することが
  望みなの?などとは口には出さずにうんうん、と相槌をうっているわたし。

  その場はすぐに切り上げちょっとしたバーに針路変更。
  そこでも、男は話し続けていた。私の興味を引く話題は何一つなかった。
  「おもしろくなさそうですね」
  男はそう言ってきた。私はすかさずこう言った。
  「あなたを3万円で売ってもらえませんか?」
  男は不思議そうな顔をしていたがその真意を飲み込んだのか
  「いいですよ」
  と一言いうと私を連れてそのバーを出た。
  
  これまた近くのシティーホテルにはいる。
  「シャワーを浴びてきて」
  私はそう言って男をシャワールームへ押しやった。

  男はすぐにシャワーを浴び、でてきた。わたしは、バスローブを
  羽織って、ベッドに腰掛けていた。その手には3万円を持って。
  「はい、これが約束の3万円よ」
  男は戸惑いながらも受け取った。今更ながらも不思議がっていたが
  欲情には勝てなかったようだ。私の体に手を触れる。

  「ああ、久しぶりだわ。ほんとうに・・・」
  心からそう思う。  
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  気がつくと、私はバスローブをまいたままぼーっとしていた。
  しかし、その純白のローブは真っ赤に染まっている。
  そして、私のそばには食いつぶされた跡がある男の体があった。

  私はシャワーを浴びて服を着替え部屋を出る。そして一言
  「ごちそうさま・・・3万の価値もなかったけど、まぁおいしかったわ」
  そういうと、部屋を後にした・・・

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