ゲームシステム論 |
ここでは、ときメモのゲームシステムの是非について記述したいと思う。
☆ 期間は3年間 ☆
高校生活というスパンで考えれば3年間という期間は至極当然のことである。当初懸念されていたのは、「3年間もやっていて飽きないのか?」という疑問だったのだが、3年間といっても毎日をすごすのではなく、メインになるのは土日などの休日イベントであり、平日は勉強などのパラメータ上げに使われるのでほぼ自動で進んでいくのである。詳しくはマニュアルなどを読んでもらえればわかるとおもうが、基本的には1週間単位でイベントが進んでいくので思った以上にサクサクとゲームが進んでいく。
イベントのそれは高校生活とほとんど同じ。入学式から修学旅行、お正月、夏休み、卒業式・・・中学、高校時代に経験するイベントがときメモの世界には存在する。プレイヤーたちが通った道のりを擬似的にではあるが経験させることで「昔を思い出す」ないしは「昔を思い偲ぶ」ことが容易にできるのだ。もちろん、それはプレイヤーに3年間じっくり「好きになる」という過程を楽しんでもらいたいといった意図からであろう。逆に短期決戦なのが「同級生シリーズ」(エルフ)である。こちらはこちらで、短期間の熱い恋愛をモチーフにしている。どちらがいい、といった問題ではないが、「昔のあわい思い出」ということを考えれば3年間という時間は決してながいものではないだろう。
☆ 登場する女の子は全部で10人(+α) ☆
全員、個性あふれるキャラクターでプレイヤーを魅了する。これでもか、というほどいろいろなタイプが存在する。個人個人に関しては後のキャラクター論にて語ることにする。ときメモがこれだけの人気ソフトたり得たのは、他でもないキャラクターの豊富さにある。仮にキャラクターが3人だったとして、その中に自分の気に入った子がいなかった場合、そのソフトを買うだろうか?よほどの興味本位でなければ買うことはないだろう。その点10人もいれば一人くらいは自分の好みにあった娘がいるだろう。それでもいないようなら、ただのわがままである(笑)
かといって「質より量」か、といってもそういう訳でもない。各キャラクターに多寡はあれど固定ファンが存在することを考えればわかるだろう。
☆ 生き生きとした女の子像 ☆
各女の子には声優の声が当てられている。PCEngine版発売当初は名前も知られてない声優(全員が全員そうというわけではないが)だった彼女らを一躍有名人に仕立てたのはときメモに他ならない。正直なところ、演技としてはお世辞にも一級品とはいえない。が、逆にそれが真実味を感じさせるのである。時にクサい芝居がかった演技があるが、それが「恥ずかしさ」を誘う。恥ずかしさ・・・それは昔を思い出すときの必須アイテムだ(笑)昔を思い出すとき、「恥ずかしい」と思ったことは誰でもあると思う。あの時あんなことがあったなぁ、と懐かしがりながらもその時とった自分の行動に恥ずかしさを感じる、なんてことがあるはずだ。そんな「恥ずかしさ」を思い起こさせてくれるのが、ときメモの第1のウリであると考える。
☆ デートイベント ☆
運良く女の子をデートに誘えると、休日はデートイベントになる。女の子からのコメントに対してどう答えるかによってその子の好感度が変わってくる。たとえば、海が嫌いな女の子がいたとする。海に誘って(実際問題誘えるかどうかは別として)「今日はどうだった?」と言われたとき、「楽しかったね」という男はいないだろう。普通なら「つまらなかったね」ないしは「つまらなかった?」と返すのが基本である。自分の気に入った女の子に対して、その子がいやだと思う返答はしないものだ。女の子からのコメントに対する返答は3種類のなかから選択できる。その子にとってもっとも効果的であるコメントを選ぶのが攻略の近道となる。
ときメモ攻略の際にもっとも使うのがこの「デート」であるが、最初やったとき、「なんじゃこりゃ?」と思った。デートとはいっても一瞬で終わってしまうデートなんかデーとじゃない、と。しかし、デートの過程をプレイヤーに想像させることでプレイヤーなりのデート像を作り上げることが出来るのだ。なまじ、全てを描写するとしらけてしまうアダルトビデオの理屈と同じかもしれない(笑)
☆ 女の子の態度 ☆
先にも述べたとおり、すべての女の子には自分に対する「好感度」が存在する。その子にすかれるような態度を取れば好感度はあがるし、逆をすれば下がってしまう。好感度が変わるとどうなるのか?数種類あるので順に追っていく。
「呼び方が変わる」・・・ゲーム開始時、氏名とあだ名を入力してからゲーム開始なのだが、女の子によって呼び方が違うのだ。礼儀正しい女の子であれば「○○さん」と呼ばれるし、お調子者な女の子であれば「△△(あだ名)」で呼ばれる。それが、デートを重ねることで好感度があがっていくと「□さん」などと名前で呼ばれるようになるのだ。もちろん、声優が口に出して呼んでくれるわけではないが、その呼び方が変わったときの嬉しさというのは、現実でもあることだろう。好きなあの子が自分に対しての呼び方を変えたときのその嬉しさ・・・そんなこまかい点もときメモのプラス要素のひとつであろう。
もちろん好感度のマイナスも存在する。「嫌われる」こともありうるのだ。デートでその子が嫌がるような返答をしたり、デートを断ったり(まれに女の子の方からデートに誘ってくれることがある)すると好感度はたちまち下がる。嫌われた女の子からは・・・鬼の形相でこちらを睨み付けられるのだ(笑)物好きはともかくとして、なるべくならそんな顔はみたくないものである(汗)
☆ おまけ要素 ☆
コナミのゲームといえば「コナミコマンド(↑↑↓↓←→←→AB)」だろう。このような裏ワザが豊富に入っている。
それだけではない。ゲーム中にも随所におまけ的要素が多々含まれている。そういったCoffeeBrake的な部分を持たせているのも好感が持てる。
☆ 欠点 ☆
長所ばかりあげていても始まらないので、欠点もいくつか挙げておこう。
<単調>
ゲームをやっていて、なれてくるとどうしても機械作業的になってしまう部分が往々にしてある。全員クリアするために努力を厭わない、というひとはまだしも、とりあえずクリアしたいという人間にしてみると3年間の期間は苦痛である。とはいえ、それはそれで仕方のないことではあるが・・・
<現実離れ>
一度に10人の女の子を相手するのは、正直、現実離れしている。そのためになるべく女の子を登場させないようにするという方法も取れるが、そうやっているうちに上記のように、機械作業になってしまうのである。