<2nd_GRADE 第7章:October(4)> Mio's EYE 『戦いおわって』 はぁ・・・ ベッドに横になりため息。私の仕事もやっと終わりました。この2ヶ月間一生 懸命やった結果が今日に結びついたんだと思います。 感想を見に来てくれた方に書いていただいたのですが、おおむね好評だったよ うで作ったほうとしてもすごくうれしい限りですね。 でも、疲れちゃいましたね。今までにないほど頑張りましたから。部長には注 意されてしまいましたが、時にはこれくらい頑張ってみたくなりますよね。何 事もわすれて、我を忘れて物事に没頭する・・・そんな感じになりたくなるこ とってありますよね。今回はそんな感じだったように思います。ものすごく苦 しくて、辛くて・・・でも楽しくて。 公演も無事盛況に終わりましたし、言うことはないですね。わたしの脚本、ど うだったのでしょうか・・・良かったのか、悪かったのか・・・非常に気にな ります。 あっ、また着替えないで横になってしまいました。ちゃんとお風呂に入って寝 る準備してからにしないと。 ☆ ☆ ☆ ☆ ふぅ・・・ゆっくりと湯船につかるのは気持ちいいですね、やっぱり。それか ら熱いお湯と冷たいお湯を交互に浴びて肌を引き締めます。乾布摩擦と同じよ うに結構気持ちもいいし(といってもやったことないですけどね。ふふっ)、 健康にもいいんですよ。 時間をかけてお風呂に入って。寝巻きに着替えて再びベッドへ。 明日はおやすみです。だからちょっと夜更かししても平気ですね。大好きなゲ ーテの詩集を読む前に、今日のおさらいです。 演出・脚本にたずさわった今回の学園祭。今回、得るものは多かったような気 がします。無理をせずに、それでいて自分の最大限の能力を発揮すること。こ れって、学園祭だけじゃなくて、現実の社会でも通用することなのではないで しょうか。 そう考えるとすごく有意義な学園祭でしたね。 精一杯がんばったからか、すごく体が疲れています。夜更かししようと思いま したがそんな元気は残っていないようです。・・・気がついたら既に意識はな く眠りの底についてしまっていました。 楽しかった。今までで一番・・・またあんなやりがいのあることって、出来る のでしょうか・・・ ☆ ☆ ☆ ☆ 翌日。本を返しに図書館へ。今日は返却締め切りなので、忘れずに返しにいか ないといけません。でも、なかなか目覚めなかったので、気が付いたらお昼を 回っていました。早くしないと図書館、閉まってしまいますね。でも、体がま だ目覚めません。もう少し横になって・・・ 次に目覚めたときは夕方近い時間になっていました。昼間中ずっと寝てしまっ ていたのですね。そんなに疲れていたのでしょうか・・・ あっ!そんな事を言っている場合ではないですね。図書館に行かないと。私は 大急ぎで着替えて本を片手にバタバタと家を出て行きます。今日は・・・今日? え? ふと考えてみます。学園祭は日曜日。ということは今日は月曜日ですね。月曜 日といえば公共機関のお休みの日ではないですか。不思議に思って本の後ろの ページを見ると・・・ 「あ、あした・・・」 そう。私は1日勘違いしてしまっていたのです。ちょっと考えれば月曜日締め 切りの本の貸し出しはその翌日に返却すればいい、っていうのをすっかり忘れ ていました。なんだか、一生懸命支度して損した気分です。 仕方ないですね。とりあえず図書館へいってブックポストに本を入れて帰りま すか。こういう時って非常にブックポストの存在がありがたいですね。職員の 方がいなくても本が返せるのですから。 「さて、これでおしまい・・・っと」 借りていた本をブックポストに入れて。帰ろうとしたとき。 「あっ!高城さん」 「おお、如月さんじゃない。どうしたの?休みの図書館に何か用事?」 「え、ええ・・・本を返しにきたんですが、図書館がお休みなのをすっかり忘 れていて、ブックポストに入れてきたところです。高城さんは?」 「俺?俺は・・・締め切りすぎた本を返しに来たのさ」 「えっ?」 「い、いや、締め切りすぎた本って直接職員の人に返すのって恥ずかしいじゃ ない。もともと遅れる方が悪いって話はあるんだけどさ。だから、期限が遅れ た本は、こうして休みの日にブックポストから返却する事が多いんだよね。っ ていうか締め切り前に返せって言われちゃうそうだな、如月さんには」 「くすくすくす・・・そうですね。ちゃんと返さないといけませんね」 ☆ ☆ ☆ ☆ 「如月さん、これから暇?」 「え?」 「いや、ちょっとお茶でもどうかな、と思って」 「・・・お母さんに何も言わずに飛び出してきてしまったので、早く帰らない といけないです・・・」 「あ、そ、そうなんだ。じゃぁ仕方ないね。早く帰った方がいいよ」 「ええ、そうします」 「明日、また学校で」 「はい」 高城君と別れて。・・・せっかく誘ってくれたのを断ってしまってよかったの でしょうか。そんな思いがよぎります。