<2nd_GRADE 第2-3章:May(3)> Yuko's EYE 『Why Are you here?』

  「あっ!」

  超びっくり。まさかこんなところで会うなんて、驚き〜。思わずかけよってい
  っちゃった。

  「詩織じゃない!なんでこんなところにいるのぉ?」

  そう、あたしの目の前にはなぜか詩織がいたの。詩織ってこういうところには
  興味がないと思ってたのにね。・・・隣を見ると・・・あ、この人は、演劇部
  で一躍有名になった高城武雄ね。確か・・・詩織の幼なじみだったと思ったけ
  ど。でも、どうして?

  「朝日奈さんも、どうしてこんなところにいるの?」
  「えっ?あたしは、『通』だからよ。こういう新しいものの情報は即座にGE
  Tするのがあたしの生きがいだも〜ん」

  詩織はなんだか妙に納得しているみたい。まぁ、いいか。

  「で?詩織はどうしてこんなところにいるのかしらぁ?」
  「え?わたし?わたしは、武雄君の叔父様が武雄君にチケットをわたしたから
  一緒に行かないか、って・・・」

  もう、ピーンときちゃったわね。思いっきり意地の悪い笑みを浮かべて

  「ふぅ〜ん、それで一緒にデートしてるってことなんだぁ・・・」

  詩織もなんだか本気で焦っているみたい。やはり図星か。詩織の付き合ってる
  相手は、やはり高城君で確定ね。

  「もう、そんなんじゃないってば・・・武雄君がチケットもらったのが前日だ
  ったから、わたしくらいしか誘えなかったんだってば」
  「はいはい。じゃぁそういうことにしておきましょうね」

  うわ、なんかすごくいやな奴みたい、あたし。ちょっといいしぎたかも。

  「・・・」
  「そうね、これからあたしの質問に答えてくれるなら黙っててあげてもいいわ
  よ」

  黙っているとはいっても、いつまで、とは言っていないもん。と思ってはいる
  けどやっぱとりあえずは黙っててあげようかな。女のユージョーってやつよね。

  「あ、あたし友達と来てるから向こうに行くね。そんじゃごゆっくり〜」

  ニヤニヤとしながらその場を後にするあたし。まったくの偶然とは言え、とん
  でもないスクープをつかんじゃったわねぇ。あははっ、どうしよっかなー。