<2nd_GRADE 第12章:March(2)> Mio's EYE 『1年の終わりに』 いつのまにか2年目の冬も過ぎようとしています。気が付けばもう3年生。最 高学年になろうとしているのですね。 わたしはというと相変わらず体も弱く、どうしようもないですね。ちょっとは 良くなったかと思ってはいるのですが・・・すぐに風邪をひいたり貧血で倒れ てしまったり。皆さんに迷惑をかけてばかりです。来年こそは迷惑をかけずに 健康的な1年間が過ごせたらいいですね。 今年1年間で一番衝撃的だったこと・・・といえば、なんだったでしょう。振 り返ってみると・・・。 やはり、藤崎さんと高城さんがお付き合いしてるっていうことが一番衝撃的だ ったように思います。情報にはいち早く飛びつく朝日奈さんからの情報なので きっと正しいのでしょうね。修学旅行のときにも一緒に行動していたみたいで すし。 お似合いのカップルですよね。藤崎さんと高城さん。演劇コンビとでもいうの でしょうか。幼なじみということもあり息はぴったりだし、お互いの気持ちも 分かり合えている感じがしますし・・・うらやましいカップルです。どうして 公表しないのかしら?って不思議なんですけど。学校中に広まってしまうから かしら。 藤崎さんたちを見ていると思いますね。私にもいつか高城さんみたいな素敵な 男の人に巡り会えるのかしら・・・って。 そんなことを考えているとふと昔のことを思い出してしまいました。きらめき 高校受験の日の話です。私が駅で貧血で倒れてしまったとき、誰かが私のこと を駅の医務室まで連れていってくださったこと。彼(駅員さんの話によると) もまた、きらめき高校を受験するということ・・・私を連れていってくれた人 は、今どうしているのでしょうか。きらめき高校に合格して、通っているので しょうか?それともどこか別な高校に・・・2年前に思いをはせます。 お礼も言わないで(といっても倒れていたのですから言えるはずもないのです が)去っていってしまったので、今度会った時にはお礼を言いたい、そう思っ ているのですけど・・・やっぱり会えないですよね、きっと。 そうでした。来年度の最初に進路面談があるんです。私は、どうしようかなぁ、 と考えた結果、やはり進学することにしました。大好きなゲーテについてもっ と深く掘り下げて勉強したいですから・・・しかしゲーテを扱っている大学は、 この近くにはないのが問題です。ここから飛行機で2時間。電車でいくとなる と10時間もかかるところ。そうなると厳しいです。一人暮らしをしなくては なりませんから・・・いえ、一人暮らし自体は問題ないと思うんです。炊事・ 洗濯・掃除などは嫌いじゃありませんし・・・そう。この体です。独りで暮ら していて突然家で倒れたりしたら・・・そう思うとなかなか親元を離れて大学 にいきたい、という要望を両親に出すわけにもいきません。そもそも、大学に 合格するかどうかも分からないのに、ふふっ、気の早い話ですよね。 でも、それ以前に体力をしっかりつけて倒れないようにしなきゃいけない方が 先決ですね。 学園祭も楽しかったです。なんだか自分の作り上げた作品が演劇になるなんて 思いもしないことですよね?脚本などという大役を仰せつかって・・・死ぬ気 で頑張ってしまって部長には怒られてしまいましたが納得のいく出来だったと 思ってます。今でも聞いてくる人もいるんですよ。「原作本があるんですよね? 教えてもらえませんか?」って。1年生とかがクラブの途中とかで。歴史好き の子が多いみたいです。シェイクスピアの作品の中でも有名だと思うのですが ・・・知らない方も多いみたいですね。最近の子供たちは本を読まなくなって いるようですから。著名な作家の文学作品は読んでみるに限ります。読んでみ ると、その作品がなぜ有名になったのか分かりますから。面白いんです、やは り。 来年は受験生です。クラブも多分引退でしょうね。大好きな読書も勉強でおあ ずけかもしれません。とにかく頑張らなければ。