<第12章:March(3)> Takeo's EYE

  1年か・・・早いな、やっぱり。

  散々ムリだといわれ続けたきらめき高校に入学してもうすぐ1年になろうとし
  ている。やはりいろいろなことがあったな、と思う。

  他の連中はどんなことを考えているのだろう。やっぱり1年間を振り返ったり
  しているのだろうか。まぁ、いい。自分は自分。

  自分でもよくわからないが演劇部に入部。よくわからないうちに一躍有名人に
  なっていたみたいで、学校中に名前が知れ渡っていたりして。高校ってそんな
  ものなのかなぁ、と。

  そして、詩織。

  ・・・。

  今更なにを考えようというんだ?俺は詩織のことが好きだ。何のために同じ高
  校に入学したんだ?親や中学の先生には「やめろ」といわれつづけてきたのに。
  1年たって落ち着くべきところに落ち着いた、といったところだろうか。幸い、
  まだ誰にもバレてないから、このまましずかに付き合っていくのがいいだろう。
  他の連中にばれるとうるさいからな。特に早乙女にはばれたくないよな・・・

  来年から2年生。後輩も入ってくる。頑張らないとな。